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2009年 09月 19日
まぁ、「急いては事をし損じる」を持ち出すまでもなく、いくら『政権交代』が実現したからと言って「意にそぐわない」からといってガーガーさわぐのは、良く言えば“せっかち”ですが、もう少しシビアに言えば“欲深い”ということかもしれません。
私は、子どもの頃から他所におじゃまする時には「クツを並べなさい」から、家人にお会いした際には、軽く「こんにちは。お邪魔します。」くらいは挨拶できるようにと教わりました(笑) 8月30日の選挙で『政権交代』が実現したと世間では浮かれていますが、本当の「新政権の発足」は、鳩山さんが国会で承認された、9月16日からです。 最初の就任会見がオープンにならなかったとして、「記者クラブ(と一部の雑誌・海外メディア)だけなのは『公約違反』だ」と騒いでいる人たちはもう少し冷静になったほうが良いでしょう。 冒頭に述べたことと関連しますが、16日に鳩山さんが総理大臣に選ばれたからといって、果たして「今、この瞬間から、自民党時代とは違うのだから、180度考えを変えろ」みたいに言って果たして組織が機能するのかどうか・・・ 私自身は、民主党の「情報公開の方針」というのは、むしろ他の具体的な公約よりも、重要な『原則』だと思っています。 したがって、次の選挙まで「現状維持」みたいになるようなら、それは期待ハズレだと思いますが、上記のように「就任会見」が、従来型のスタイルということだけを持って「公約違反だ〜」と言って選挙では支持したはずの人たちが、民主党の足を引っぱるというもはいかがなものかなぁと思います。 むしろ『トクをするのは誰か?』を冷静に考えれば、もう少し「大人の対応」が出来るのではないかと思います。 さっそくというか、「いかにも」な現象も表れています。・・・むしろ、こういう方を「バカらしい」とか「往生際が悪い」と批判するほうが、ネット世論としては重要なのだと思います。 例えば、URLは省略しますが、似たような記事の見出しを ・官僚会見廃止指示 対応はまちまち、混乱も ・次官会見禁止に「報道の自由への不当介入」新聞労連が抗議声明 ・気象庁長官会見も中止 3カ月予報も「相談中」 ・官僚の会見 「廃止」の再考を求める ・新政権に戦々恐々 記者会見見直す省庁続々 正直、マスコミやお役所の『過剰反応』としか見えません(笑) むしろ、これまで役所と大手マスコミが、本当に強い『癒着関係』だったのだなぁということが改めて分かります。 少なくとも「役人」も「大マスコミ」も、民主党のこの方針の『本意』がどこにあるのかは、しっかりと理解していながら役人は「民主党のせいで会見できない」と騒いでいるのは間違いありません。それをマスコミが『混乱』のように報じる。 マスコミはマスコミで「記者クラブ存続」によって情報の独占をしたいので、役人といっしょになって「会見騒動」をオーバーに騒ぐことで、民主党の方針を歪めることが出来るかもしれないと期待しているからこそ、一緒になって過剰反応しているのでしょう。 今の段階で、就任会見の件で「公約違反」と騒ぐことは、新政権の混乱を助長することにつながるということです。 民主党は情報について「オープンさ」とともに「一元化」も重要だと主張しています。ある議員さんがおっしゃっていましたが、 >(自民党時代のような)大臣と、役人の言うことが違ってしまう弊害を改めるべきだ 要するに政府としての『情報の一元化』がなされないために混乱が生じたり、結果として「政治不信」を煽るような意図でのリークがまかり通る。 情報の一元化で何か困ることがあるのでしょうか? 例えば、省庁のトップである『大臣』と、役所側のトップである『次官』に上げられる情報が『同じ』であれば、別に、担当者が次官じゃなく直接大臣に情報を渡して、それを大臣が会見で話しても何も問題は生じないハズです。つまり、役所のトップが政治家に渡す情報の「選別」を行っていたということです。(裏を返せば、これまでの自民党時代には、官僚のトップの持つ情報の“すべて”が、大臣に渡っていたのでは無いということでしょう。) 今、マスコミを通して「過剰反応」を煽っているのは、当然、鳩山政権に対する『霞が関による揺さぶり』であり、むしろ「あれも、これも会見出来ない」というのも、役所がこれまでの『体制』を維持するために、わざと騒いで混乱させているということです。 まるで『地上げ屋』がゴネているような感じです。・・・利害の為には“節操”が無くなるという意味では同じでしょう。 今回の『政権交代』には、(西松事件のように)ネットでの「反自公政権」の人たちの果たした役割は非常に大きかったと思います。 今、その人たちの一部が、船出したばかりの鳩山政権の足を引っぱるようなムードを作ってしまっているのは、非常に残念でなりません。 まぁ気持ちも全く分からないでもないのですが、「いきなり変える」というのは分かりやすいといえば分かりやすいのですが、デリケートな面もあるので、そこまで拙速に結果を求めなくても良いのでは無いかと思います。 一つ参考にしてほしい数字をご紹介しておきます。 (ヤフーの「官僚の記者会見「原則禁止」は適当?」の統計) 1位:適当 ・・・63% 2位:不適当 ・・30% 3位:わからない・・8% そういう意味では、市民は冷静に見ている人が多いようです。 2位の「わからない」と答えている人の比率を「反民主(自公支持)」「霞が関の役人」「大手報道機関の人」あたりと考えれば、『前政権擁護派』以外の人は、気にしていないか「情報の一元化」に理解を示している人が大部分だということです。 ところで、個人的に感じた事ですが、例えば今回「新総理就任会見」が全くフリーになったとして、それはどれだけの価値があるのか疑問に感じます。 (現在のネットの話では「記者クラブが、総理会見を仕切った」ことを問題視しているように見えるので。) これは、単に「(記者クラブ所属の人と)同じ土俵に上がれた」だけでしょう。 大事なのは「どういう情報(記事)を発信できるか?」であり、就任会見というセレモニーに「出れた」「出れなかった」よりも、これから先「どういう記事が書けるのか」が最も重要なのだと思います。 これまで、総理の会見を仕切っていた「記者クラブ」が、政権が変わったからと言って「私たちは自民党の時はこうだったけど、フリーという方針なので、別に記者クラブ主催でやるつもりはない」となっても(「入れてくれない」ことで不満を言う人は)文句を言えないということになります。 『政権交代』は、『即時変更』しなければ失敗というようなものではなく、「混乱なく移行できる」ことを優先するべきだと思います。 つまり、冒頭に述べたように「他所におじゃまする時」に ・クツを並べる ・「お邪魔します」と挨拶をする このような礼儀は必要であり、16日に「新総理」になった鳩山さんは、まだ「主(あるじ)」になる挨拶の段階であり、新家主に対して、執事やお手伝いは旧家主の下で働いていたその日のうちに「鳩山(民主党)流に合わせろ」というのは、酷だと思うし、むしろ反発して働かない輩も出てくるでしょう。 (すでに、マスコミを通して「混乱」を強調している役人もいるけど、この人たちは早いうちに『退場』させるために『特定』する必要はあります。) 悪意があって、マスコミに「混乱」を誘導する情報を流すような役人は、すでに「おいしい立場」だから、自民党とともに「退場」してもらう必要がありますが、一生懸命仕事をしている人も多いはずです。 それらの人が、無駄に混乱しないためにも、まだ今は「お邪魔します」と腰を低くすることが重要です。 ただ、勘違いしてもらいたくないのは、『一年後、二年後』となっても今と変わらないようでは、国民の期待が高かった分、大きなしっぺ返しを民主党や新政権の人たちは味わうことになるでしょう。 そして、『一年後、二年後』となっても、新政権の意向が「理解できない」ような役人は、やはり「退場」してもらうしかないということです。 ◎物事を収める「大人の知恵」 以前、地方の都市で、毎年恒例の夏祭りに『暴走族』のような人たちが乱入して社会問題化したことがありました。 この時、大人の知恵と子供では完全に「勝負あった」となったのが、大人のほうは『条例改正』であっさり解決してしまったということです。 このように「ルールを変える」というのは、実は非常に大きな力を持っているということに政治家は気づくべきでしょう。 よく、公務員は『身分が保証されている』と言われます。これは、 ・国家公務員法 ・人事院規則 ・地方公務員法 ・その他の条例 これらを根拠にしています。 これまで自民党時代には、与党が「法案の作成」を官僚丸投げしていたこともあって、官僚の反対するような法律を作ったり変更することはありませんでした。 でも、従来の政治を変えることを公約にして国民の絶大な支持を背景にしている新政権は、むしろ「政策の実現」を邪魔するのは、 >国民の意思に反している ということを大義名分にできるということです。 つまり「政策推進に抵抗する人」や「国民の財産を食い物にする役人」などは、『法律/条例』を変更して、罷免できるように変えられるということです。 抵抗勢力を押さえ込むという意味で、この『立法権』というのは、実は絶大な力を持っているということなのです。 ・「引っ越してすぐ」には、とりあえず「引っ越し先」のルールに合わせる も ・「社会生活を乱す人間」に対して、ルールを変えて対応する このどちらも『大人の知恵』だということです。 ただし、そのためにはある程度の『時間が必要』なのだということは、私たちも理解しておかなければならないのです。
by mojo_on
| 2009-09-19 15:06
| 政権交代
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