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2008年 03月 16日
【イ】繊維鑑定とは 「繊維鑑定」が教える真実←元記事にもどる
以前、ゆうたまさんのブログへコメントで「一般的な繊維鑑定」について紹介したコメントがありますので、ご紹介しておきます。 ttp://yuutama1.blog.shinobi.jp/Date/20070622/1/ このコメントのポイントは、顕微鏡による検査の「鑑定の料金」は最も安いので、検査の難易度から判断すると、科捜研ではかなり簡易的な検査しか行わなかった(ことになっている)のです。 検察官が、あえて「詳細な検査」を行わなかったのだと思います。または、詳細な『結果』を隠しているかのどちらか。 【ウ】繊維について 記事にもどる 以下は、代表的な繊維を拡大した写真です。 ★ウ_01_繊維比較 繊維の中でも、とくに天然繊維は ・太さ ・ねじれ ・表面の状態(ヒトの毛髪のキューティクルのような、表皮細胞の模様のことをスケールと呼ぶ) このように、繊維に固有な特徴があります。さらに、羊毛などは表面のスケールを滑らかにするために「溶かす」や「すき間を埋める」などの『加工』を施す場合があります。 同じ種類の繊維であっても、これらの『加工状態』を調べることで、かなりの正確さで「同じ繊維」か「異なる繊維」かを判断可能だということは、調べればすぐに分かります。 (ちなみに) 北朝鮮の拉致問題の「横田めぐみさんの遺骨鑑定」では、日本で鑑定される前から盛んに「鑑定は無理だ」という情報が流され、案の定、科捜研では鑑定不可能のモノが、大学の研究所では鑑定できたということが話題になりました。 これから分かることは、民間の研究所や大学は「純粋な依頼の結果」を出すのに対して、科捜研の場合は『特別な配慮』が働くこともあるようです。 繊維の種類 繊維は、この表のように、おもに天然繊維と化学繊維に別れます。以下、主要な一般的な特徴などについて説明します。 ◎代表的な繊維の特徴 #おことわり# 「顕微鏡写真」の倍率が、逆になっているモノ(木綿)があります。 編集の際に、画像の配置を間違った事が原因です。 後日、まとめて正しく修正いたしますので、しばらく現状のままでご了承いただきたいと思います。 <ウール> →下の【キ】で説明します <木綿> ★ウー03、木綿繊維の拡大画像 (特徴) 1. 吸水性がある。/2. ぬれると10~15%ほど強くなる。/3. アルカリ性に強い。/4. 染色しやすく、発色が鮮やかで、堅牢染めに適している。/5. 熱に強い。/6. 各種化学薬品に反応しやすい。/7. 優れた防水加工が出来る。 (構造) ★ウー04綿繊維の撚り(700倍)と構造 <合成繊維> ★ウー05、合成繊維の拡大画像 (特徴) 石油化学誘導品を溶かして細い糸状にしたものが合成繊維です。 三大合成繊維と呼ばれるナイロン、ポリエステル、アクリルをはじめとする合成繊維はそれだけで、あるいは天然繊維(木綿、麻、羊毛、絹)など他の素材と合わせて紡ぐ(混紡)方法であらゆる衣料や産業資材に利用されています。 現在、全繊維生産量の約8割がこの合成繊維です。 合成繊維は、天然繊維の千分の一近い細さの繊維をつくることが可能で、形状も自由自在に変化させることができます。 <生地と織物> ★ウー06_織物 ★ウー07_その他の織物 【エ】検査項目と、検査方法 記事にもどる 以下、民間で行われている繊維鑑定の項目をご紹介します。 ※これは、あくまで一例です。各検査機関によって、項目や費用は当然異なります。 【キ】ウール・獣毛について 記事にもどる ★キー01、ウール繊維の拡大画像 羊毛の繊維の構造をご紹介します。 ★キー02、ウールの構造(イラスト) 専門的には「獣毛繊維」を「羊毛(ウール)」と「獣毛(ヘアー)」と、呼び名を分けているそうです。これは羊毛の使用量が他の繊維に比べて多いということも理由だと思います。次に代表的な獣毛繊維の特徴をご紹介します。 名前からも分かるように、羊毛以外の獣毛は、ヒトの髪の毛(ヘアー)のようにスッと伸びているのですが、羊毛は二重構造のため、曲がっている(カーリング)のが特徴です。 <羊毛> ★キー03 羊毛市場では大ざっぱにメリノ種と雑種とに大別されているが、ときに雑種のうちカムバック種を区別する場合もある。専門的に分類すれば一般市場に見られるだけでも数十種類を越える。太さは、メリノ羊毛で0.018〜0.023mm、雑種羊毛で0.024〜0.042mmぐらいである。 <カシミヤ> ★キー04 これは一種のヤギの毛で、このヤギはヒマラヤ山中、北部インド、モンゴル、チベットなどで飼育されている。このヤギには2種の毛が混生していて、からだ表面に現れている毛は太くて粗硬なヘヤーであるが、その毛の根本に近い部分の短い毛がいわゆるカシミヤである。太さは、0.012〜0.020mmぐらいである。 <モヘヤ> ★キー05 これはアンゴラヤギのという一種のヤギの毛で、主な産地はトルコ及び南ア共和国であるが、現在はアメリカおよびオーストラリアの一部にもこのヤギが移植されている。光沢は著しく強く、あたかも絹のような光沢がある。太さは、0.03〜0.05mmぐらいである。 <キャメル> ★キー06 ラクダにはアジア系の双峰ラクダとアラビア系の単峰ラクダがあるが、毛を採るのは前者が主である。太さは0.015〜0.030mmぐらいである。 【ク】顕微鏡と電子顕微鏡、および細かい表面の違い 記事にもどる 電子顕微鏡を調べていたら、比較の実例があったので、ご紹介しておきます。 ◎例1、獣毛繊維の比較 試料の繊維断面はいずれも円筒形を呈していた。試料1 (Fig. 2) は、繊維の太さが均等でカーリングしておりスケールの間隔は均一であった。これに対し、試料2, 5 (Fig. 3) は、短繊維でカーリングは見られず太さが不均等であるため、異なる部位の毛が混在していると思われる。また前者に比べて繊維が硬くスケールの形状が粗かったため、同じ緬羊であったとしても異なる環境で飼育されたものあるいは異なる品種であるか、山羊系であると推察した。 ★クー01 ★クー02 = = = = = = = = ◎例2,防縮・未防縮ウールの観察 表面の加工の状態をを検査した様子です。このような加工の有無などにより、基となる繊維と「同一かどうか」の判断も可能だということでご紹介します。 ★クー03 光学顕微鏡で観察する(倍率は×500~)。未防縮糸は繊維側面にスケールが確認されるが、防縮ウールでは表面は比較的平滑である(写真は防縮ウール)。 ★クー04 防縮ウール2。未防縮ウールと比べてスケールの突端がなめらかである。 ★クー05 未防縮ウール。防縮ウールと比べてスケールの突端が鋭利である。 ★クー06 (参考)防縮ウールの電子顕微鏡写真1) ★クー07 防縮ウールの電子顕微鏡写真2) ★クー08 未防縮ウールの電子顕微鏡写真 「繊維鑑定」が教える真実←元記事にもどる
by mojo_on
| 2008-03-16 10:10
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