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2008年 03月 16日
◎事件における、繊維付着の様子(検察の主張)
********** このエントリーの最後に、引用した「報道記事」や「速記録」の資料を抜き出してありますので、前後関係などを知りたい方は参考にしてください。 ********** ◎被害者の服装と検出された繊維について >紺色のミニスカート、白のハイソックスと典型的な女子高生スタイル(直後の報道) >上着は記憶が無いが、下は紺色のスカートだった(目撃者T氏) >被害者のスカートの構成繊維である強い青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維が付着していた(判決要旨) >同スカートの構成繊維である明るい青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、さえた青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、強い青色獣毛繊維(判決要旨) アンチがよく「広末の母校(品川女子)のチェックの制服」と書き込むのですが、これがその制服です。 ★品川女子の制服 確かに、この制服は非常に人気があるようなので「典型的」な女子高生スタイルです。でも、見れば分かるように、スカートは「赤が目立つチェック柄」なのです。 報道も目撃者T氏も、被害者のスカートは「紺色だった」と言っているので、残念ながらアンチの言う「広末の母校」では無いのです。 ◎検察の言う「4種類の繊維」の色とは? 一審の「判決要旨」で、繊維鑑定で出された繊維の『色味』として、 ・明るい青色獣毛繊維 ・さえた青色獣毛繊維 ・強い青色獣毛繊維 植草さんの手も含めて、この3種類の青色繊維の話が出た時に、ある種の違和感を感じました。これは、多少でも上記の「明るい青」とか「強い青」「さえた青」というのが、どういう色なのかが想像できれば何となく感じる疑問なのです。 (事件直後の報道でも、目撃者T氏も、スカートの色は「紺色」) 私の疑問は、上記の三種類の青の繊維を組み合わせた柄が、 (1)果たして、このような色の組み合わせが紺色に見えるのか? (2)4種類の繊維で構成された生地が「紺色」に見えるのなら、残る一種類の繊維は、より濃い色で、検出された繊維よりも多い比率て含まれていなければならないのに、全く検出されていないのは、どう考えれば良いのか? (3)光学顕微鏡で拡大した繊維が、上記のように「明確な色味の違い」に見えるのか? つまり、検察や報道が鳴り物入りで「決定的な証拠」だと、いかにも科学的に植草さんが犯人だと吹聴した「繊維鑑定」の結果では、検察が提出した3種類の繊維の色では「紺色にはならない」ということです。 でも、ネクタイから出た繊維を、科捜研の鑑定結果からスカートと同一と主張しています。にもかかわらず、弁護側が求めた再鑑定に、検察はナゼか逃げ腰なのです。・・・それが証拠に、先日の控訴審で検察側は、霞っ子の傍聴記によれば、 ーーーーーーーーーーー 「鑑定結果を残しているか問い合わせたら、検察庁には残ってないが科捜研には残ってるかどうかわからないと言われましたが、万が一残っていれば、より詳しく調べる器具で客観的にわかるように明確に調べられるはずです!科捜研に残ってるか待った上でご判断を…!」 検察官は中腰のまま 「そもそも繊維鑑定は不必要であると考えているので…」 とバッサリ★ ーーーーーーーーーーー あれだけ勇ましく「科学的な証拠」と吹聴していたのがウソのように、検察官の腰が引けています。これも、彼らの苦しい立場を表しています。(「そもそも不必要」なら、どうして出しちゃったの?という事ですね。) 以上、概要です。それでは、順に検証していきます。 @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ 【オ】「色見本」と見え方 「繊維鑑定」が教える真実←元記事にもどる 今回の「判決要旨」での「青い色」の表現について、霞っ子の傍聴記では >スカートの獣毛繊維を構成しているのは、明るい青、強い青、冴えた青、(以上色見本の名称)だそうですが、 と書いてありますので、この「明るい」などの形容詞は、色見本の表現に準じた言葉の引用だということです。つまり、この「青」の前の形容詞は、ある程度色の特徴を表しています。いくつかある「色の表現方法」のうち、このような表し方をした場合、 「強い」=>「strong」 「明るい」=>「bright」 「冴えた」=>「vivid」 このように、色の世界で「strong blue(強い青)」「bright blue(明るい青)」「vivid blue(冴えた青)」という解釈になります。このように表現される「青色」が現実にどういう色なのかを調べれば、ネクタイから検出されたという“繊維の色”がハッキリします。 ーーーーー ★注 意★ ーーーーー 「繊維の世界」は当然ですがミクロの話なので、顕微鏡で拡大した世界です。今回のエントリーで示したように、拡大した「繊維の色」というのが、果たして鑑定書のように判別可能なのかどうかは疑問が残ります。 科捜研の研究員は、ネクタイに付着した繊維を、多分「200倍」くらいには拡大して観察したと思われますが、そうなると青い繊維ではあっても、「どういう青か」までは正確に『分類』できません。 つまり、繊維そのものが光を透過するので、青い色で染めてある繊維を拡大すると、目で見た「色味」のようには判別できなくなるのです。(つまり拡大すると、どれも「薄い青色」になっていく) ただし、これはあくまで「光学顕微鏡で観察した場合」の話です。だからこそ、弁護側も「赤外吸収スペクトルの測定(*)」などによって、客観的な色味の特定を求めたのだと思います。 (*)フーリエ変換赤外分光法(FT-IR):対象物の赤外吸収スペクトルを測定する方法。検査方法としては、透過法、正反射法(RAS)、多重反射法(ATR)などがある。 ★FT-IRスペクトルの例 図1:紙の典型的なFT-IRスペクトル(ティシュ). 測定:ATR法 図2:皮革の典型的なFT-IRスペクトル(牛革). 測定:ATR法 このように「数値化」することによって、色や成分の正確な比較が可能になりますし、当然、科捜研でも同様な検査は可能でしょう。今回、そういう事をしないで「目で見た感じ」だけを、鑑定結果として提出したことが、非常に検察側の恣意的な行為だと映ってしまいます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【ケ】ネクタイの付着繊維 「繊維鑑定」が教える真実←元記事にもどる ◎実際の色の特定 科捜研の「目」を信じて、研究員の分類した色が、実際にどのような色なのかを区別していきたいと思います。 (1)実際の色を特定する作業 「判決要旨」の記述によれば、検察の提出した繊維鑑定結果として <繊維の種類>・・スカートは獣毛繊維、下着は綿繊維とのこと ・青い獣毛繊維・・・手からは一種類、ネクタイからは3種類 ・無色の綿繊維・・・「多数」だと主張するが、検察は証拠として提出せず <繊維の色>・・青い繊維の微妙な色味の違いを以下のように表現しています。 ・「強い」=>「strong」(S) ・「明るい」=>「bright」(B) ・「冴えた」=>「vivid」(V) この(S)(B)(V)の青色が「色見本」として表される色を、多少誤差を考慮して、前後3段階の色として、表にしてみました。 (科捜研の結果として)研究員は、ネクタイに付着していた4本の繊維のうちの3本が違う色として見えたということなので、このような色に見えたのでしょう。 一応、このような色味の違う繊維だったということを前提に議論を進めていきます。 (2)繊維の色味のシミュレーション 霞っ子のスケッチではこのような繊維なので、だいたい200倍程度の拡大で判断したようです。 ★霞っ子のスケッチ ここでは、今回スカートの構成要素である「青い羊毛(ウール)の繊維」について、顕微鏡写真と画像処理によって、状況を再現してみたいと思います。 ウールの顕微鏡の繊維画像を加工して、上記の色に近い繊維の合成した様子を作ってみます。 ★ウールの拡大写真・・・オリジナル赤色を、青に変えてみます ↓ ↑きっと科捜研の研究員の目には、このように見えたのでしょう。 次に、上記の繊維画像を「判決要旨」にあるような(S)(B)(V)の青色に近くなるように、色を変化させてみます。 ★ネクタイの、3種類の青い繊維(こんな感じ?) ・冴えた青 ・明るい青 ・強い青 (3)この3種類の繊維を組み合わせる 最終弁論によると、被害者のスカートの生地の繊維は計4種類だそうです。 >被害者のスカートの構成繊維は合計4種類であったとされていますから、 >スカートの生地を構成している糸を切り取った上、この糸をほぐして採取された このうち、公判で検察が繊維鑑定で出した色は上記のような「3種類の色味」ということなので、今度はその色を組み合わせて、どのような感じになるのかを試してみます。 (ア)→単純に、縦横組み合わせてみる (イ)→(ア)に比べて、少し1色ごとを太くしてみる (ウ)→いわゆる「チェック柄」っぽくしてみました まぁ、これは鑑定結果に合わせるとこうなるという意味ですが、 一般的な制服の場合、生地の素材表示を見ると、 「ウール100%」 「ウール70%、ポリエステル30%」 「ウール50%、ポリエステル50%」 このように「ウール+ポリエステル」という生地が多いようです。このように、単色の紺色生地なら、多くても2種類となります。つまり「4種類の繊維で構成されていた」スカートということは、上記(ウ)のような「チェック柄」だと考えた方が自然でしょう。 【カ】制服の特定/京急の制服 「繊維鑑定」が教える真実←元記事へ 次に、実際の制服について考えるのですが、その前に、別の制服である、『京急職員の制服』の問題から解決しておきましょう。 ◎京急の制服について 京急は今年制服をリニューアルして、濃紺(ネイビーブルー)になりました。 事件のあった当時は、もう少し明るい青なので、その色を「色見本」に合わせてみます。 ★京急のポスター(当時) ★制服の一部を拡大 (科捜研の鑑定結果にも合っていて、弁護側の言い分にも矛盾しない、以下の3つの条件すべてを満たす色は絞られてきます) ・ネクタイの3色の青にふくまれる色 ・京急の制服の繊維 ・植草さんの手から青い繊維が検出された この京急駅員の制服の色を、上記「青い繊維」の色分布に当てはめると、だいたい「(S)<強い青> 紺碧 こんぺき #007Bbb」に最も近いのが分かると思います。 この植草さんの手から検出された「(S)強い青色の獣毛繊維」というのは、弁護側の独自の繊維鑑定でも (植草さんの手に付着していた、青色の獣毛繊維は) 京急職員の制服の繊維と「きわめて似ている」 との事ですので、少なくとも植草さんの手に付着していた繊維というのは、京急の職員ともみ合った際に付着したと考えた方が自然です。 ◎検察の「荒唐無稽」な主張・・・痴漢被害者のスカートの繊維が、ネクタイに「一本ずつ」付着したというのは有り得ない。 ところで、検察はネクタイの繊維は、被害者のスカートから、自殺未遂で植草さんの手からネクタイに移ったと主張しています。でも、これは非常に不自然です。 <ネクタイを触った人(時系列)> (1)事件の電車に乗る前にネクタイを締めた時←植草さん (2)逮捕者K氏が、植草さんを駅に連行する時←K氏 (3)駅事務所で、植草さんが自殺未遂した時←植草さん (4)そのネクタイを、駅員が取り上げポケットに入れた←駅員 (5)蒲田署の警官に、駅員から渡した←青木氏とは別の警官 計5段階の人の手(植草さんが2回)を経ているので、例えば「ネクタイから検出された繊維」を痴漢行為の証拠にするのなら、逆に他の人たちの指の繊維鑑定も行った上で「他の人の関係者の手指には、青い繊維が無かった」という事実を証明する必要が出てきます。 これは「科学鑑定」を謳う以上、最低限クリアしていなければなりません。 複数の人が触った(可能性じゃなく、公判で事実と認定されている)以上、例え被害者のスカートの繊維と、間違いなく同一との結果が出たとしても、ネクタイに関しては、本来「証拠にならない」のです。 一般的な痴漢事件でも、繊維鑑定が犯行の根拠となるのは、手指または着衣の袖など、被害者と触れた事を、直接裏付けられると認められた場合です。 今回の、ネクタイに付着した繊維を検察が出してきたというのは、非常に“特殊”なケースだと言えるでしょう。(それは、検察官自身が一番良く分かっているのでは?) ◎検察の「ホンネ」 この、わざわざ異例とも言えるネクタイの繊維を証拠として鑑定した行為を逆に言えば、検察としては、手指からの繊維(1種類)だけでは心もとないので、何か「スカートを触った証拠」が、別に必要だったのでしょう。 その後、不思議なことに、何日か経って(植草さんの指からは繊維が出ない代わりに)ネクタイから「きっと何か出てくる」というインスピレーションが、検察官に働いたのかなぁ(笑) しかも実際に、ネクタイから4本の獣毛繊維が(ナゼか)出て来て、しかもそのうちの3本が別々の色味で被害者のスカートと似ている・・・あまりに出来過ぎだと感じるのは私だけでしょうか? ◎ネクタイに付着した繊維の解釈 (この、ネクタイの繊維の付着したプロセスは、複数考えられます) (1)偶然検出された「青っぽい繊維」を、強引に被害者のスカートと同一とした (2)「色味」の解釈を、意図的に幅を広げて「似ている色」という鑑定結果にした (3)実際に、被害者のスカートの繊維を(別に管理してあるネクタイに)こすり付けて、繊維鑑定をした (1)は「偶然」を利用したもので、あとの二つは「意図的な捏造」に当たります。 そして、(3)の「蒲田署で、繊維を付着させた」となると、これはもう犯罪です。もしそうだとしても、蒲田署はおろか警視庁を挙げて否定しなきゃいけなくなります。でも、青木巡査の「ウソの証言」を見ても、あり得ないことでは無いでしょう。 (4)被害者の制服 次に、被害者の制服から分かる事を調べてみます。 >長袖の白ブラウスにグレーのセーターを着て、紺色のミニスカート、白のハイソックスと典型的な女子高生スタイル。 この条件に合う制服の学校を絞ればいいのです・・・果たして(笑) 上記で述べたように、判決要旨での繊維鑑定の記述「4種類の繊維のうち3種類の青い獣毛繊維が検出された」という条件を満たすためには、単色の紺色スカートではなく、チェック柄だと思われます。 ★品川駅周辺の学校 品川駅の周辺の高校としては、主なところで以下の3つがあります。(以下、制服の写真も紹介します。) ★(赤)・・・品川女子 ★(青)・・・明治学院高校 ★(黄緑)・・・高輪(高輪台)高校 これらの学校は、紺のスカートに見えても、“グレーのセーター”という条件に当てはまりません。 ◎被害者といわれる女性に近い『制服』の学校 上記の学校の制服は、どうも条件に合わないので、もう少し範囲を広げていくと、どうやら「条件に近い」学校が見つかりました。この写真では「白いセーター」なのですが、白とは別に「グレーのカーディガン」も認められているので、被害女性の服装はこれに近かったと思われます。 (もちろん、この学校というわけでは無いのですが、条件にいちばん当てはまるという意味でご紹介します。) ★朋優学院高等学校(中延学園女子) ここまでの画像では、単色に見えますが、この制服のスカートの画像を、少し加工して分かりやすくしてみます。 ★スカートの拡大画像 一応、この学校の場所をご紹介しておきます。 朋優学院高等学校 住所:〒140-0015 東京都品川区西大井6丁目1-23 ◎まとめ(植草さんの事件における「繊維鑑定」の問題) 以下、簡単に整理します。(引用は、最終弁論) ーーーーーーーー ●植草さんの手から検出された繊維 >ところが、鑑定結果は、たった3本の繊維がスカートの構成繊維と色調が類似し、しかも類似していたのは1種類についてのみというものです。 >どのような仕組みで1種類のみが付着し、残る3種類の繊維が付着しなかったのかという説明もありません。 >どのような繊維片がどのように分布して付着していたのか。また、その中で上記3本の繊維が手指のどの部分にどのように付着していたのかも明らかにされていません。 ↑ 植草さんの手の「どの部分に付着していた」を明かさないのは問題です。例えば、「指先なのか/手のひらなのか/指の付け根なのか」の付着場所によって、全然話が違って来ます。 起訴状のような犯行だとしたら、植草さんの左手なら「手のひら全体」とか、右手なら「指先か、指を曲げた関節のあたり」に付着したという結果を検察が出す必要があります。 ●同一とされるスカートの生地の問題 >具体的にスカートのどの部分の生地から採取されたのかは明らかにされていません。 ↑ つまり、スカートのどの部分の繊維かも明かさずに「単に青い繊維が一本手から出た」だけで、検察は「痴漢の証拠」と主張しているのです。 ●「鱗片が一致」と報道された部分 >繊維の形状に関する市川さんの証言は、獣毛繊維の性質に関する一般的な説明にすぎないにもかかわらず、 ↑ 研究員への質問で「一般的に、ウールの表面にあるウロコ状の模様などの違いなどからも、繊維の分類は可能」というように、植草さんの手から検出された繊維の事ではなく、ウールの場合はコレコレの違いがあると(多分、検察が言わせて)それを、翌日の記事では「鱗片が一致した」という書き方になったのでしょう。(意図的かもしれませんが) ーーーーーーーーーー 検察が提出した繊維鑑定の結果をまとめると、 ・植草さんの手からは、一種類の青色の獣毛繊維が出た ・(直接さわったハズの下着の繊維の)綿繊維は、証拠として提出しない ・植草さんのネクタイに繊維が付着しており、その3本がスカート繊維に似ている ・ネクタイに付着した理由を、検察は「自殺未遂」の時だと考えている それに対しての「合理的な疑問」として ・植草さんの手の繊維は弁護側の鑑定によれば京急職員の制服と「極めて類似」 ・植草さんと駅員は駅事務所で接触があったので、手に付着する可能性も当然ある ・ネクタイに付着したスカートの繊維が3色あり、それが被害者のスカートと同じなら、被害者のスカートは、報道・目撃者の「紺色」というよりも「紺色に見える、チェックなどの柄物」 ・繊維(ウール)は光学顕微鏡による色味だけじゃなく、より細かい鑑定が可能 つまり、 この「繊維鑑定」は、検察が意図的に、 重要な事実をねじ曲げた鑑定だった。 こう断言して良いと思います。 繊維鑑定は、結果によっては『無実の証明』にもなるのです。 「客観的な証拠」によって、被疑者の犯行 で は な い という事がハッキリしたのなら、それは、被疑者が「犯人ではない」という事なのです。 先日の控訴審で、検察官は > 「そもそも繊維鑑定は不必要であると考えているので…」 と言ったようですが、これは間違いです。 不必要じゃなく、自分たちに「不都合」なだけです。 「繊維鑑定」の結果が検察官にとって希望しない結果なのは、自分たちにとって「都合が悪い」だけであって、逆に取りも直さず、被疑者の犯行では無いという『真実』を示しているのです。 (科学はウソをつかない「解釈」を曲げない限り・・・) 検察官や捜査官は「思い込み」で捜査をしてはいけないと思います。少なくとも、自分の立場だけでモノを見てはいけない人たちなのです。 くれぐれも、そのことをお忘れないように・・・まぁ、私たち庶民を「見下している」ような人の耳には届くことは無いと思いますが、心ある人に届くことを祈っています。 【裁判資料】・・・繊維鑑定関連 ーーーーーーーーーーー 【事件直後の報道】 車内はほぼ満席も乗客の肌が触れ合うほどではない状態。女子生徒が前から3両目の車両中央付近に立っていたところ、スーツにノーネクタイの同容疑者が右斜め後ろにポジショニング。左手でスカートの上から女子生徒のお尻を触り始めると、徐々にスカートをたくしあげ、下着越しに、手のひらで1分以上もお尻をなでまわしたという。 女子生徒は、細身で黒髪。長袖の白ブラウスにグレーのセーターを着て、紺色のミニスカート、白のハイソックスと典型的な女子高生スタイル。 (2006年9月15日06時01分 スポーツ報知) 【T氏の証言】 204.○小出検察官 覚えている限りで結構ですが、どういう服装でしたか。 205.○証人 上着については、余り記憶がありません。下についてはスカートを履いていました。 206.○小出検察官 何色のスカートでしたか。 207.○証人 紺色です。 【判決要旨】 (2) 被告人の指から採取した付着物に、被害者のスカートの構成繊維である強い青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維が付着していたこと、付着していた繊維は被告人の背広の構成繊維と異なること、被告人のネクタイの付着物に、同スカートの構成繊維である明るい青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、さえた青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、強い青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維が付着していたこと、付着していた各繊維は被告人の背広の構成繊維とはいずれも異なることが鑑定されており、これらの事実は、被告人が被害者の背後に密着し、そのスカートに触れたことと矛盾せず、被告人が犯人であることに矛盾しないといえる。 もっとも、これらの付着していた各繊維は前記スカートに由来すると判定されたものではなく、他に由来する可能性も否定できるものではない。よって、前記鑑定結果は、被告人が犯人であることに矛盾しないという限度でのみ、被告人が本件の犯人であるとする被害者および目撃者の各供述の信用性を支える事情の一つとなる。 【一審の弁護側最終弁論】 まず第1点目。鑑定結果は、色調が類似しているというにすぎないのであり、同一と断定するものではございません。すなわち、獣毛繊維とは「動物の毛」というだけの意味であり、羊、キツネ等、挙げれば切りがございません。ウールに限定したところで、なお一般的に着用する衣服の構成繊維にすぎません。要するに、被告人の手指から採取された繊維は、ごくありふれたウール繊維にすぎません。 また、かかる繊維が鑑定以前のどの時点、例えば1分前なのか、1時間前なのか、1日前なのか、3日前なのか、またどこで、さらにはどのようにして被告人の手指及びネクタイに付着したか、特定することは不可能です。このように、繊維鑑定は、被告人を犯人と識別する証拠としての価値が極めて薄弱であったと思料いたします。 また、仮にある者が両手で被害者の臀部を2~3分間もなで回していたというのであれば、その両手指全体にスカート生地から脱離した構成繊維が過剰に付着するはずであり、しかも、被害者のスカートの構成繊維は合計4種類であったとされていますから、その4種類の構成繊維がすべて両手指全体に多量に付着し、付着している繊維の構成比率も、スカートの布地と同様の構成比率であるはずです。 ところが、鑑定結果は、たった3本の繊維がスカートの構成繊維と色調が類似し、しかも類似していたのは1種類についてのみというものです。また、どのような仕組みで1種類のみが付着し、残る3種類の繊維が付着しなかったのかという説明もありません。さらに、被告人の両手の手指に付着していた多量の繊維片については、どのような繊維片がどのように分布して付着していたのか。また、その中で上記3本の繊維が手指のどの部分にどのように付着していたのかも明らかにされていません。したがって、被告人の手指に繊維が付着していたとされる状態は、不自然、不合理と言わざるを得ません。 次に、被害者のスカートの繊維は、スカートの生地を構成している糸を切り取った上、この糸をほぐして採取されたとされていますが、具体的にスカートのどの部分の生地から採取されたのかは明らかにされていません。しかし、繊維は、磨耗、損傷、汗等による汚染・汚損、あるいは日光にさらされて変色・退色しますから、被害者がさわられ続けたと言うのが臀部である以上、端的にその場所の生地部分から繊維を採取すべきであり、しかも、被告人のネクタイ同様、粘着テープにより離脱した繊維が採取されるべきです。したがって、被害者のスカートの繊維の採取方法は不合理と言わざるを得ません。 次に、市川さんは光学顕微鏡を用いて鑑定していますが、光学顕微鏡では、繊維の特定や鱗片の形状が不明瞭であり、精密な鑑定を行うことはできません。 次に、市川さんは、繊維の色調について、強い青色、明るい青色、さえた青色等の表現を用いて、青色獣毛繊維を区別していますが、その具体的な色調の違いについて、合理的な説明があるとは言えません。 次に、光学顕微鏡は、色調の鑑定に適しません。市川さんは「薄い色の木綿繊維は、糸をほぐしてしまうと、無色で観察される」などと証言しているのであり、光学顕微鏡観察が繊維の色調の判断に適していないことを自認していると言えるのではないでしょうか。 繊維の形状に関する市川さんの証言は、獣毛繊維の性質に関する一般的な説明にすぎないにもかかわらず、殊さらに鑑定繊維の類似を強調しようとする意図的な表現に終始していると言えます。このような繊維の形状の類似性に関する市川さんの証言には、信用性がないと言わざるを得ません。 ーーーーーーーーーーー
by mojo_on
| 2008-03-16 10:35
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