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2009年 12月 31日
前々回の「大使招請、その2」のエントリーで、
>(5)ナゼか、24日になって時事通信の「不思議な記事」が出された。 このことから、 ーーーー どうも、私の結論としては、やはり「大使のミスリード」という疑いが強いのですが、ではその目的や狙いとするものは何か? ということになるのですが、それが上記(5)によって、疑問を氷塊させることにつながりました。 ーーーー (前エントリーの「その3」では、字数が足りなくなったので)この部分だけ、別記事として整理しました。 一体、どうして藤崎大使は「異例のこと/呼び出された」などと言い、それをニュースが大きく取り上げたのでしょう? 私は、最初に藤崎大使が「呼び出された」というニュースを聞いた時、 (異例なことなら) 一国の大使がめったに国務省に行かないなんて、 逆に、大使が米国政府との人脈が無いこと、自ら白状しているみたい。 現実の「日米の関係」を象徴しているようで、むしろ恥ずかしくて「言わないほうがいいんじゃない?」というのが第一印象でした。 果たして、相手国の政府に「めったに行けない」ような大使が、国益を担った行動が可能なのでしょうか? 少なくとも、外国の大使というのが外務省の「天下り先」などと言われているくらいだから、完全に単なるメッセンジャーとしての役割しか無いのが現状でしょう。 では、そんな大使がどうして「呼びだされた」などと発言したことが、ここまで大きく報じられたのか? 前エントリーでご紹介した時事通信の記事が、そのナゾを解いてくれます。 (既述のように、米国が「立ち寄っただけ」と発表した時点で、この記事は「お蔵入り」じゃなければならなかった。) (09年12月25日) 首相への不信決定的に=普天間移設、発言捏造に不快感−米政権 ttp://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2009122500561 さらに、後追いのように (09年12月29日) 米反発に方針転換か=普天間移設−鳩山首相 ttp://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009122900008 このようなニュースが出されていますが、これは「シナリオ」が狂ったことで、外務省がむしろ焦ってしまっているのでしょう。マスコミで記事になれば、何か世間のムードが政権批判につながるかも・・・という期待で。 ◎記事の解説 まずこの騒動で重要なのは、藤崎大使が「異例なこと」と会見した時だけが、大使側の「正式な発言」だということです。 会見の内容そのものは、「総理や大臣に伝える必要がある」として、全く明らかにされていません。 つまり、その後ニュースの記事にある「クリントン長官、駐米大使を異例の呼び出し」とか「アメリカが不快感」などの記事にあるエピソードは、完全に『憶測』で書かれているということです。 でも、どの新聞社も似たニュアンスだということは、この「呼び出され会見」で伝える論調を、ある程度、各社が「揃えている」ということです。(外務省からペーパーを貰って、そのまま記事にしたというのが真相でしょうが) 昨日から今日にかけては、今度は「ワシントンポストが伝えた」とニュースになっていますが、これも良く見ると、新しい事実は無く、実は「大使会見」の時のシナリオをなぞっているだけなので、上記の時事通信のニュースと同じ構図でしょう。(日経「鳩山首相は「気まぐれな指導者」 米ワシントン・ポスト報道」) 私が、どうして時事通信の「25日付」のニュースに注目したのかというと、上記のように大使会見では 「事実関係は、ほとんど話していない」 のです。 にも関わらず、何日も経ってからマスコミに「・・・らしい」ような報道が出る。 要するに、羽毛田宮内庁長官の「天皇の政治利用」をマスコミが一斉に「小沢犯人説」を吹聴したのと同じ構図だということです。 ここで、改めて記者が「勝手な憶測」で記事にした、時事通信の25日の記事から、どういう事が書かれているのかポイントを抜き出してみます。 ーーーーーー ・「偽装献金事件などの影響による支持率下降」で、米側は早くも「ポスト鳩山」を視野に入れ始めた ・「支持率が落ちているが、どう見ているのか」とキャンベル氏が問いただした ・「わたしが了承したかのような話になっているが、そんなことはない」と、クリントン長官が不快感 (ホワイトハウス高官が、日本側当局者に) ・「大統領は怒り狂っている」 ・統領周辺には「鳩山首相は相手にできず」との空気が広がっている (政府高官同士の会談は) ・大臣や事務次官の「日程調整は進んでいないのが現状。」 ・6月のサミットの際の首脳会談も、実現が危ぶまれている。 ーーーーーー 例えば、これまでの官僚のスタンスから見れば、後半の「日本側当局者の話」というのは、どう見ても外務省関係者でしょうし、「会談実現が危ぶまれる」のも、むしろ外務省が『消極的』にすれば、いくらでも「実現が危ぶまれる」状況を作り出すのは簡単でしょう(笑) つまり、情報を流したのは、記事からも外務省関係者なのは間違いないし、その人が「仕切っている」限り、会談が出来ないかもという、その「予言」を実現しようと思えば簡単だということです。 こういうのが、典型的な『面従腹背』です。 そういえば、12月の半ばに「世論調査」があり、「5割を切った」というニュースをいち早く流したのも、時事通信でした。 【時事世論調査】内閣支持率(2009年12月18日更新) ttp://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_cabinet-support-cgraph 25日の記事では、 ーーーーー オバマ米政権の不信感が決定的に高まりつつある。偽装献金事件などの影響による支持率下降を踏まえ、米側は早くも「ポスト鳩山」を視野に入れ始めた。 ーーーーー と、「偽装献金」を入れていますが、 ーーーーー 時事通信社が11〜14日に実施した12月の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は2カ月連続で低下し、前月比7.6ポイント減の46.8%と、9月の内閣発足以来初めて5割を割り込んだ。 調査は全国の成人男女2000人を対象に、個別面接方式で行った。有効回収率は66.1%。 内閣を支持する理由(複数回答)をみると、「政策が良い」が14.4%(前月比3.7ポイント減)、「他に適当な人がいない」が14.0%(同0.6ポイント減)。 一方、不支持の理由は「期待が持てない」が同4.5ポイント増の15.3%でトップ。「リーダーシップがない」は同10.2ポイント増と3倍超に急増し、14.5%だった。以下、「首相を信頼できない」9.0%(同2.1ポイント増)、「政策がだめ」8.9%(同0.2ポイント減)と続いた。 ーーーーーー 本来なら、記事にするにしても同じ時事通信の「結果」の上位に無い項目だけを載せているのはヘンな感じです。 (むしろ、この文章を書いた主体が、鳩山政権への攻撃に「献金問題」をウエイトを置いている人のような気がします。) 要するに、この記事は外務省側から「こういう事を記事にしろ」ということなのでしょう。 ところで、大使は21日の雪の中での会見では >内容を大臣、総理に報告する必要がある と言って、具体的な話をしなかったのですが、前述のように米側(クリントン長官)からは「大臣と直接話をしたい」という意向が伝えられたのは間違いないでしょうが、それ以外の内容は「誰かが勝手に触れ回っている」ということです。 アメリカの方は「名前を使われている」ことに嫌気がさしているのは、一連の普天間問題が、「本当の情報」はほとんど報じられず、「官僚リーク」の記事ばかり大きく報じられて、交渉の主導権を政治家から奪おうとする霞ヶ関のやり口に、本当に不快感を持っているのだと思います。 ◎外務省と大使の『誤算』 どうも、時事通信の25日の記事は、当初から準備されていたというか、仮にアメリカが「立ち寄っただけ」と言わなければ、私たちの多くが「アメリカが怒っているのかなぁ?」という印象を持ち続けていたと思います。 でも、アメリカは私たち日本の国民が夏に「チェンジ(政権交代)」という意思を明確に示したことで「恫喝していると思われると、霞ヶ関の仲間だと思われる」ことを嫌ったのだと思います。・・・自民党政権だったら、きっと「ノーコメント」で処理したでしょう。 私は、「普天間基地移設問題」はあくまで「国内(利権)問題」だというスタンスで見ているので、この問題で鳩山政権を「優柔不断」と言っているのは、そのことで『利害』が直結する人たちであり、アメリカはその仲間だと思われるのはイヤなのでしょう。 (その5につづく)
by mojo_on
| 2009-12-31 19:09
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