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2007年 08月 19日
私は、この裁判が始まった当初から、ずっと気になっている事がありました。「初期報道のモトになった情報は、誰の証言なのか?」これについて、自分のブログで記事にした事もあります。
【本当の目撃者】って、ダレ? (ttp://koufu.exblog.jp/4842600) 「植草さん、やはり無実でしょう」(ttp://koufu.exblog.jp/5009122) テーマとしては、以下の二つ 「初期報道の“情報源”はダレか?」 「それを誰が流したのか?」 幸いというか、最後の最後になって、この「情報源がダレか?」についての答えを得ることができました。 7月18日の「論告求刑」公判で、清野検事の「“露骨な実刑狙い”の戦略」として、被害者の証言を引用しました。この事によって、や・は・り、「被害者の供述」が初期報道の情報源だったという結論を得る事ができました。このことにより、私たち「事件の真相を知りたい」者にとって、非常に大きな手がかりを得ることが出来ます。 ◎事件直後の報道による「事件の概要」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (A) 車内はほぼ満席も乗客の肌が触れ合うほどではない状態。女子生徒が前から3両目の車両中央付近に立っていたところ、スーツにノーネクタイの同容疑者が右斜め後ろにポジショニング。左手でスカートの上から女子生徒のお尻を触り始めると、徐々にスカートをたくしあげ、下着越しに、手のひらで1分以上もお尻をなでまわしたという。 (B) 女子生徒が「やめてください」と声を上げると、植草容疑者は急に窓の方に顔を背け、ダンマリ。近くにいた男性乗客2人が取り囲み「警察に行くぞ」と話すと今度は下を向き、しょんぼりした様子を見せたという。 (★スポーツ報知(9月15日、朝6時))←2回目撃者が名乗り出る前の情報 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「(A)犯行の様子」の情報源(だれの証言に基づいた情報なのか)を、「被害者の証言だった」ということは、それに続く「(B)抗議を受けた様子」も、同様に「被害者の証言」をもとにしている・・・つまり、被害者が「こういう、被害にあった」と事件直後に証言した内容だということです。 裁判として考えた場合、被害者が「私は、コレコレのような被害を受けました」という被害を訴えており、その時に拘束された植草さんが「果たして真犯人なのか、それとも人違いなのか」という事に争点が絞られたということです。 ◎被害者の「被害の様子」を整理 当然「起訴状の犯行内容」も、上記の報道に近いものだと思われます。微妙な違いはあっても、全体的な事件の流れは「初期報道」に近いようです。以下、検察の組み立てた「犯行前後の流れ」を整理してみます。 ・犯人は、電車に乗ってすぐに、後ろに立った ・二人とも、進行方向を向いていた ・犯人には、両手で触られた(←記事では「左手」ですが) ・女性が「やめてください」と指摘 ・犯人は、2〜3歩後ろに下がった(無関係を装うため?) ・そして「窓の方に顔を背け、ダンマリ。(=反対のドアを向いて『つり革』を持った?) どうやら、犯人が「2・3歩下がって、窓の方を向いた」ことと「つり革を持った」ことは、被害者の主張のポイントのようです。 以前「植草さん(と逮捕者)の主張するつり革とは、位置が違う」という事が話題になりました。これは、逮捕者が拘束した【植草さん】と、被害者の言う【真犯人】の持っていたという、つり革の位置が異なっていたようです。・・・被害者は、犯人は少し下がって、後ろの方のつり革を持っていたという主張のようです ◎真犯人と植草さんの『向き』の違い 被害者と逮捕者の、犯人に対する違い ・被害者→(触っていた人物は)逆のドア側を向いている←植草さんの向きとは逆 ・6回の逮捕者→逮捕した人物(植草さん)は「少し右に顔だけを向けた」 被害者の言う“真犯人”の体の向きは、植草さんの当時の向きとは、正反対で、逆のドアの方を向いているのです。仮に「真犯人」が拘束された「植草さん」なら逮捕者から見て顔が見える向きに、真犯人は向いていなければなりません。 被害者や2回目撃者(検察の作成した起訴状に近い)の指摘する「真犯人」は、 ・乗車直後から、被害者のすぐ後ろにいた ・犯行を指摘されて、2〜3歩下がって、反対のドアを向いた。 しかし、6回の逮捕した人物が「犯人だと思った男(=植草さん)」の向きは、上記の検察のシナリオで指摘する真犯人とは異なります。 つまり、ここで植草さんと真犯人の位置が入れ替わり、逮捕者は被害者の近くにいた植草さんを逮捕したと考える方が合理的だと思います。 ****************************** 以下のように、目撃者と検察官のやり取りでは、触っていた犯人は「反対側のドアを向いた」という事を、検察官自身が、念を押すように確認しています。 速記録より ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 440.○小出検察官 さて、その後、おじさんと女子高生はどうなったんですか。 441.○証人 女子高生の方からおじさんに対して抗議をするという形になりました。 442.○小出検察官 具体的には、その女子高生はどういう言動をとったということになりますか。 443.○証人 後ろに振り返って、最初の第一声はよく覚えていませんが、「何やっているんですか、子供の前で恥ずかしくないんですか」といったことをいっていました。 (女性の抗議の描写) 452.○小出検察官 一方、おじさんの方は、女子高生から抗議を受けてどうしたのですか。 453.○証人 女子高生が振り向いた直後、後ろの方に下がって、乗車したドアとは反対のドアの方を向きました。 458.○小出検察官 それからおじさんは、後ろに下がったり、あるいはドアの方に向いたりしたと、そういうことになるのですか。 459.○証人 はい、そうです。 1257.○弁護人2 あなたの記憶だと1~2歩下がった後、後ろを向いたんですか、反対側のドア。 1258.○証人 反対側のドアの方を向いたような気がします。 1263.○弁護人2 それで後ろを向いてつり革をつかんだということなんですか。←ここは、「(犯人が)後ろに下がった後に、つり革をつかんだ」と、被害者の供述ではなっているのでしょう。 1264.○証人 つり革をつかんだとはいってないです。 1265.○弁護人2 後ろを向いたと。 1266.○証人 はい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 検察で4回も、打ち合わせをした「目撃証人」です。その目撃した「おじさん」が、犯行後どのように動いたのかという事は、細かく打ち合わせしているハズです。 検察官が、被害者や目撃者の証言を基に組み立てた事件のシナリオでは、触っていた犯人が反対側のドアを向いていたのでしょう。これが、当初の「起訴事実」に基づいた、犯人の一連の動きということなのです。 ◎検察の思惑 目撃者と被害者の証言による(今回の事件)の「起訴状」のストーリー ーーーーーーーー 検察側冒頭陳述によると、植草被告は9月13日夜、京浜急行内で制服姿の女子高生の背後に立ち、スカートの上から尻を両手でタッチ。さらに右手でスカートをめくり、パンティーの上から右手で尻をなでるなどした。 女子高生が「やめてください」と訴えると、植草被告は会釈しながら謝るようなそぶりを見せたが、涙ながらに「恥ずかしくないんですか、子どもたちの前で」と“説教”されると、反対方向を向き無関係を装った。 しかし、男性乗客2人に取り押さえられ、駅事務室に連行されると、警察官に対し「女性に不快感を与えるような行為をしました」と痴漢を認めたという。(スポーツ報知) ーーーーーーーー 検察官は、この事件の犯人が植草さんだという事の証明として「被害者/目撃者/繊維鑑定」を揃えておけば、植草さんの主張に対しては、裁判官は深く考慮しないと判断したのでしょう。 裁判では、被疑者である植草さんが、いくら「私はつり革を持って、入った側のドアの方を向いていた」と主張しても、それは「あくまで被疑者の言い分だから、信用性が低い」として、切って捨てられるという、検察の思惑が見えます。 仮に、2月8日に「被告人質問」という流れだった場合、植草さんが主張している「向きが違う」などの、重大な事実の誤認のあるまま裁判が結審してしまい「起訴事実の矛盾」は、被告である植草さんの主張が「間違っている」という判断をされる可能性が高かったのでしょう。 (弁護士が交替しなければ、ここで証拠調べが終わっていた可能性が高い) ◎弁護団交替で狂ってしまった『シナリオ』 当事者の次に重要な人物である、植草さんを逮捕した人物の証言は、上記の「検察の主張」とは矛盾します。 【真犯人の行動についての主張】←大きく二つに分かれる (1)被害者、目撃者、検察 VS (2)植草さん、逮捕者 (1)グループの言う真犯人は、事件直後に、2・3歩下がって「反対側のドアを向いていた人物」で一致しています。 対して(2)の方の逮捕者は、「被害者と一直線上に並ぶ位置にいる人物」が「少し、顔を右にそむけた」状態で立っていたようです。そして、その人物が犯人だと思った根拠は、「被害女性がそちらを見ていたから」であり、泣いている被害者にハッキリと確認したワケではないようです。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 322. K証人 突き出す意思があるかどうか確認するために「突き出す?」と聞きました。 323. 弁護人2 そしたら、女子高生は。 324. K証人 「はい」と答えました。 325. 弁護人2 その話を聞いて、あなたは、あなたが逮捕した男について、この人が女子高生にさわった犯人だというふうに考えた。 326. K証人 えっ。 327. 弁護人2 あなたが逮捕した男性について、今の女子高生の話を聞かれて、その男が女子高生をさわった犯人だろうというふうに……。 328. K証人 いや、それは聞かれる前から、抗議している相手がだれかわかっていましたので。 329. 弁護人2 ああ、その時点で。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー “向き”に関しては、植草さんと逮捕者でも微妙に異なります。 これは以下に説明するように「逮捕者ー被害者ー植草さん」の位置関係を考えてみれば分かるように、逮捕者の「一直線に見えた」という状態を再現すれば、逮捕者から見て植草さんが“真後ろ”に立っているように見えたような状態になります。そして、パッと被害者の方を見た時に、後ろにいるのが植草さんだと思い込んだ。 ↑ 詳しくは、過去の記事を参考にしてください。 【4】具体的な、被害の主張 http://koufu.exblog.jp/5650000 被害者や目撃者の言う真犯人(起訴状の犯行を行った人)は、「2・3歩下がって、反対側の窓を向いた」のだとしたら、「45度の女性」などの周囲の人物の死角になってしまい、逮捕者からは見えない可能性は高い。 この逮捕者自身も、被害者と植草さんとの距離は「52センチ離れていた」と証言しています。 > 271. K証人 少し間隔はあけていましたが、向きを大幅に変えたり、位置を大幅に移動できるほどすいてはいなかったので。 このように、周囲の人が多いような事を証言しています。つまり、植草さんより後ろに下がって「反対側を向いている人物が、犯人かも?」なんて可能性を、瞬時に判断することは出来ないでしょう。 ◎まとめ・・・一言で、この事件をまとめる 残念ながら、被害者の後ろにいた真犯人は、犯行直後に後ろに下がってしまい、結果的に被害者の後ろにいて下を向いていた植草さんを「犯人」だと思い込んだ逮捕者が、キチンと確認する事もなく拘束した。そして、蒲田駅でも「当事者の話も聞かずに、突き出してしまった」事が、今回の事件の“大きな間違い”の原因になったのだと思います。 検察側の目撃者や、被害者も、真犯人は「反対側のドア」を向いたと言っているのに、イザ犯人として「突き出された」のは、じっとしていた植草さんだった。 本当に触っていた「真犯人」が存在したなら、その人物は、そのまま電車に乗って行き、何事も無かったように帰宅してしまったのでしょう。 「えん罪」は、罪が二倍 ・無実の人の時間を奪い、人生を狂わせる ・本当の犯人を、そのまま逃がしてしまう
by mojo_on
| 2007-08-19 10:27
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