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2007年 10月 24日
私たちが、何気なく見過ごしてしまうような話に、何故か相手がこだわるような場合、そこに何か隠されているのかもしれません。大切なのは、とりあえず「きちんと整理してみる」ことです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 取調べの時に検事は、私が改札を通過した時には「目の前に電車はなかったはずだ」と言っていたが、11月下旬に入手した検察官開示記録の中の写真にある電車は、白黒写真で色はよく分からないが、私の脳裏に焼きついている電車と似た印象のものだった。しかし、検事は私が見たのは反対ホームにいた電車だったのではないかと言った。改札に乗り込む時までの記憶が途切れているので、私が実際に乗った電車が改札で見た電車とは違った可能性は否定できない。(「知られざる真実」p225より) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 当の植草さんでさえ「(見た電車が)実際に乗った電車とは違うかもしれない」という認識なのに、検察官の反応は、否定というよりも「それでは困る!」と言わんばかりです。あえて「反対側の電車」という可能性を示してまで、植草さんが改札を通る際に「電車は無かったハズ」だという話にしないと、何か不都合でもあるのでしょうか? 「京急 N1000型」 ![]() このような視点で、電車の到着時の様子を考えながら、資料をながめていたら、次の文章が目に止まりました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー (5 以上より、被告人が本件の犯人であるとする被害者および目撃者の各供述の信用性は高く、関係各証拠から、以下の事実は優に認められる。) 被告人の目的駅は品川駅から1駅であるところ、被告人は、電車に乗車した時点では逆方向であることに気付き、それから出発するまでに1分間以上もあったというにもかかわらず面倒であるからそのままその電車に乗っていたのは合理的な理由とは言い難い。(「判決要旨」より) ーーーーーーーーーーーーーーーーー 『出発するまでに1分間以上もあった』 <品川駅構内図> ttp://www.keikyu.co.jp/train/kakueki/shinagawa_konaizu_L.shtml 当時、事件の起きた電車は、品川駅に到着してから発車するまでに「1分以上停車していた」という事を判決文で認定しています。 確かに、品川駅はJRとの乗り換えの連絡口がくっついており、ホームもかなり広いので、どの電車も1分程度は止まっていても不思議ではありません。実際、私が品川駅で乗った電車も、昼間でしたが1分30秒くらいドアが開いていました。 ◎植草さんの証言に当てはめる 一審の判決では、「一分以上電車が止まっていた」と事実認定されているので、それを前提に各種証言を分析してみたいと思います。 植草さんが改札を抜けた時に見えたという電車がホームに入ってきて、フラフラ〜っと、電車の進行方向につられて歩いて行ったと仮定します。 前から3両目の中ドアまでは、改札を抜けて20秒程度だと仮定して、ドアが開いて少し経ったとしても、その電車に乗った可能性が一番高いと思います。 もしかしたら、その次の電車に乗った可能性もゼロでは無いのですが、3両目まで歩いたとしても、一分くらい止まっているのであれば、その電車に余裕で乗り込める時間があります。 ※植草さんの主張するように「パスネットの記録を開示」すれば、植草さんが改札を通過した時間もハッキリするのですが、検察官は何故か公開したくないようです。 ◎弁護側目撃者との整合性 ドアが開いてしばらくして、植草さんが電車に乗り込み、中央かもう少し奥の方に一旦進んだとして、そろそろドアが閉まる頃に、植草さんが「やっぱり降りよう」と考えて、ドアの方へ向かいました。その際に「何人か乗り込んできたので、押し戻された」との事です。 仮にこの時、乗り込んできた人の先頭に、弁護側目撃者がいたと仮定すると、押し戻される際、目撃者と植草さんは、かなり近づく事になります。これは「酒臭かった(タバコ?)」などの、乗り込んだ際に証人が証言したエピソードにも合致します。 目撃者の車内での動きに関して見てみると、押し戻す状態で車内の中央まで行ったあと、証人から見て左方向、進行方向の通路の方へ行き、二つ目のシートの前に立った際、ちょうど座っている人が降りて行ったので、この証人は座った。 植草さんの方は、電車の中央あたりから、もっと奥(反対ドアの方)に押されて行き、そうこうしている内に、ドアが閉まって電車が発車した。 裁判では、このあたりは争われているワケじゃないのですが「ドアがしばらく開いていた」という事実と、植草さんと弁護側証人の証言から、それぞれの人がどのように車内で動いたのかが良く分かります。 むしろ、多くの問題が生じるのは、次に示す「検察側目撃者」の証言です。 ◎検察側目撃者(T氏、検察側証人)の証言について (以下の項目に関係する「速記録の該当部分」(2回公判)を最後に引用しておきましたので、番号と照らし合わせて見てください。) <速記録の証言をまとめると> ・改札から近いドアの前は「もっと混んでいた」から、空いている3両目まで向かった ・「改札から左方向の車両に駆け足で乗り込んだ」と警察の調書に書いてある ・3両目のドアの前は、10人くらいいた。 ・並んでいる人は3列に分かれて、すでに乗り込み始めていた ・証人が乗った後には、2・3人乗ってきた ・「並んで乗り込んだ」と「駆け足で乗り込んだ」とで、検察・弁護の解釈が分かれる ・証人が乗り込む前に、被害女性は乗っていた(881)=つまり犯人もその後ろに、すでに居た? 次に、これらを考慮して、乗り込むまでの様子を時間経過で見ていくと、 T証人が連絡改札を抜けた時に、電車は到着しており、目の前のドアは混んでいた。(761) ↓ それらの混んでいるドアを避けて、比較的空いているドアを探してそちら(左の方)に向かった。(747) ↓ T証人は先頭から3両目の真ん中のドアのところまで行った ↓ 乗り込む際、ドアの前に10人ほどの人が3列に分かれて、電車に乗り込んでいたので、その後ろについた。(765) ↓ 車内に入ったT証人は、乗り込んだドアの近くに立ち、つり革を持って立っていた。 ↓ 証人が乗り込んだ後に、電車が発車するまでに、2〜3人乗ってきた。(732) ◎証言の状況には矛盾がある 先ほどの植草さんや、弁護側の目撃者の証言は、否定も肯定も「見方次第」という面はありますが、この検察側目撃者の証言は、それとは異質の問題、つまり、それ自身に大きな矛盾があることが分かります。一言で言うと >一分間もドアが開いていたとは思えない このことを、次に整理します。 (1)3両目に並んでいた列の人たちは「乗り込み始めていた」という事です。これは、私たちが電車に乗る時のことと重ねると、まずドアが開いて、乗っていた乗客が降ります。次に、待っていた人たちが順に車内に入り始めます。T氏が列の後ろに到着したのはこの頃だという事が分かります。・・・つまり、ドアが開いて10秒か、少々余裕を見ても15秒後くらいでしょう。 (2)「改札の近くのドアは、もっと混んでいた(761)」という証言からも、電車の到着直後というのは裏付けられます。 つまり、仮にドアが開いて、30秒も40秒も経っているのに、どのドアにも10人以上も人が並んでいるのだとしたら、その電車は『超満員』だという事になってしまいます。 (3)最初に戻って、T証人が電車に乗り込み終わるまで、トータルで到着から20秒程度だとします。電車が発車するまで、まだ40秒以上ある計算になります。40秒以上ドアが開いているのに、あとから2〜3人しか乗って来なかったのでしょうか?(先ほどとは逆に、今度は無茶苦茶「空いている電車」という事になります) 2回公判のT証人の、証言のみから受ける印象は、 「そこそこ混んでいる電車が到着して10人ほどの人が乗り込み、T証人が乗り込んだ後少しして発車した」 こんな印象を受けます。とても「一分以上、止まっていた電車」に乗り込んだ話だとは思えません。 むしろ、警察での「供述調書」どおりの表現の方が、自然な感じがします。 >759.○神坂裁判長 警察での取り調べでは、余り人が並んでいないドアに行き、そのドアに回って乗ったというふうに供述調書には記載されているのですね。 >759.○証人 はい。 これなら、別にドアが開いている「どの時間に乗り込んでも」問題は無いのです。 (ただ、到着直後じゃない限り「余り人が並んでいないドア」というのが、チグハグな印象を受けます) どうして、検察官が異議を挟んだのかも理解に苦しむところですが、もっと重大な疑惑を感じます。次にそれについてまとめます。 ◎とっさに言ってしまった『××』 少なくとも、裁判官は判決文で「一分以上、電車が止まっていた」という事を事実として認定しています。T証人の証言には細かい点で、(証言そのものに)矛盾があるようです。では、どうしてそうなってしまったのでしょうか? 私は、一カ所だけT証人が「言わなければ」もう少しスマートな証言になると思われるポイントを見つけました。(強調しますが「言わなければ」です) それは >720.○証人 並んでいた乗客の後ろに続く形です。 ←ココ (こう証言した結果、弁護士からは当然「何人くらい?」と聞かれます) >722.○証人 もう乗り込んでいる方もいたので、詳しく覚えていませんが、10人ぐらいはいたと思います。 つまり、このあたりは、T証人が「とっさに言ってしまった」のだろうと思います。 どういう事かというと、いわゆる『××』です。・・・事前の検察との打ち合わせで想定していなかった質問を、弁護士から問われて、混乱した? 証人はとっさに「自分は犯行には無関係」で「より信憑性を高く見せたい」と思い、より具体的な表現をした方が良いと考えて「列の後ろに並んだ」と答えてしまったのでしょう。 (事件と直接関係するような、犯人の容姿などの重要なポイントは「記憶に無い」と証言するように打ち合わせていたと思います。現に、裁判官も検察側の証人の記憶の曖昧さには「寛容」で、好意的な解釈をしています。) この電車に乗り込む部分は「植草さんが犯人かどうか?」とは直接関係無いのですが、先日の判決で「目撃者と被害者の証言が一致している」ということが、有罪の大きな根拠となっている以上、その一方のT氏の証言の中に「辻褄の合わない点」があるとなると、証言全体の『信頼度』にも疑いを持たざるを得ません。 証人が「ありのままに答えた」のであれば、たとえ事件と直接関係の無い部分であっても「辻褄が合っている」のは当然です。 判決で裁判官が「偽りを言う理由が無い」と判断されたT証人が、事実とは違う(記憶違いでは説明できない)証言をしたのだとすれば、これは決して見過ごす訳にはいかないと思います。 今回の裁判官は、あまり違和感を感じなかったようですが、何度か話題になっているように、このT証人は、警察で1回、検察では4回以上も打ち合わせをしています。 普通に考えれば「被害者の供述内容」を知っている検察官と、何度も何度も打ち合わせをして公判に臨んだT証人が「話を合わせる可能性」は否定できないと思います。 事件の予備知識があると思われてしまう事そのものが、証言の信憑性を著しく低下させてしまいます。 (同様の理由から、弁護士さんは、植草さんが名乗り出た証人と接触しないように、強く注意をされたのです) しかも、このT証人は、公判証言のあとに、重要な供述を変えているのです。 「検察に都合の良い証言をした」と思われても仕方ありません。 (↑この事に関しては、ゆうたまさんの記事を参照してください) 「判決要旨に対する疑問点5」 ttp://yuutama1.blog.shinobi.jp/Entry/201 特に、この「目撃者の証言」に関しては、今後も継続して検証していく必要があると思います。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 702.○神坂裁判長 それでは、反対尋問、どうぞ。 713.○弁護人 あなたがその車両に乗り込んだ際、既に電車のとびらは開いていたんですか。 714.○証人 はい、そうです。 715.○弁護人 改札を通ったときには開いていましたか。 716.○証人 それはよく覚えていません。 717.○弁護人 あなたがその3両目の車両にたどり着いたときに、他の乗客は乗車を始めていましたか。 718.○証人 はい、始めていました。 719.○弁護人 あなたが電車に乗り込む際、あなたは他の乗客が乗り込むのを待って、続いて乗車したのか、それとも全く待たずに、たどり着いてそのまま乗り込んだのか、どちらでしょうか。 720.○証人 並んでいた乗客の後ろに続く形です。 721.○弁護人 あなたの前に並んでいた乗客は何人ぐらいいましたか。 722.○証人 もう乗り込んでいる方もいたので、詳しく覚えていませんが、10人ぐらいはいたと思います。 723.○弁護人 10人ぐらいあなたの前に並んでいたのですか。 724.○証人 はい。 725.○弁護人 何列で待っていましたか。 726.○証人 乗り込んでいる途中だったので、列もばらけていましたが、3列ぐらいだったと思います。 727.○弁護人 あなたが乗り込み、そのあなたの直前の人、これはどんな人でしたか。 728.○証人 直前の人はちょっと覚えていません。 729.○弁護人 男性か女性かも覚えていませんか。 730.○証人 はい。 731.○弁護人 あなたが乗り込んだ後、電車が発車するまでに何人が乗り込んできましたか。 732.○証人 後ろから2~3人だと思います。 745.○弁護人 あなたは初めに警察でお話をしたときに、他の乗客に並んで、続いて乗ったというふうにいったか、そのまま駆け足で乗り込んだか、何というふうにいったか覚えていますか。 746.○証人 ちょっと正確には覚えてないです。 747.○弁護人 人が並んでいないところに駆け足で乗り込んだ。 748.○小出検察官 異議です。そういうふうに書いてないと思いますけれども、もう一度ごらんになってください。 749.○弁護人 そのとおり書いてあると思います。もう一度質問します。 750.○小出検察官 改札口から余り人が並んでいないというふうに書いてあると思うのですが、違いますか。 751.○弁護人 じゃ、そのとおり聞き直します。あなたは警察でお話をしたときに、改札口から余り人が並んでいない、改札から左方向の車両に駆け足で乗り込んだ、こういうふうにお話ししたというふうに記憶していますか。 752.○証人 はい、記憶しています。 753.○弁護人 今、並んで乗り込んだというふうにおっしゃいましたけれども、どちらが正しいんですか。 754.○小出検察官 異議です。どちらが正しいのか別に矛盾してないと思うのです。そごしてないと思うのですけれども。 755.○弁護人 いや、並んで乗り込んだということと、そのまま駆け足で乗り込んだというのは違うと思います。 756.○上山検察官 そのままとは書いてない。 757.○神坂裁判長 先ほどの尋問で、あなたより前に10人くらい人が並んでいたというふうに証言されましたね。 758.○証人 はい。 759.○神坂裁判長 警察での取り調べでは、余り人が並んでいないドアに行き、そのドアに回って乗ったというふうに供述調書には記載されているのですね。 759.○証人 はい。 760.○神坂裁判長 あなたの感覚では、10人ぐらい並んでいたということは、余り人が並んでいないドアというふうに思えたんですか、その当時。 761.○証人 改札を通って正面のところには、人はもっと並んでいるように見えました。 762.○神坂裁判長 人が並んでいる幾つかのドアの中では、人が並んでいないドアというふうに当時思ったということですか。 763.○証人 はい、そうです。 765.○弁護人 今のところで1点だけ。乗り込んだ、今思い出してみてということで結構ですけれども、今思い出してみて、あなたが乗り込んだドアには、10人ぐらい人が並んでいたということは間違いないですね。 766.○証人 そうだと思います。 880.○酒井弁護人 では、事件の内容についてお聞きしますけれども、まずこの事件、電車の中で痴漢の事件を見るまでというのは、被害者の女性というのはあなたは見たことがありますか。 881.○証人 電車に乗る前に、女子高生がいるなというのは気づいていました。 882.○弁護人2 あなたより前にいたわけですか。 883.○証人 はい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 1038. 弁護人3 被告人は、連絡改札を通った後、横浜方面行きホームで、あったことについて何か覚えていることはありますか。 1039. 植草被告人 ほとんど覚えていないんですが、改札を通るときに、目の前のホームに電車がとまっていて、あ、電車がいるというような光景だけ断片的に覚えています。 1046. 弁護人3 泉岳寺方面行きの電車にやっぱり乗ろうと思って、乗っちゃった電車をおりようということは考えなかったのですか。 1047. 植草被告人 一度、やっぱりおりようかと思って、おりようとしました。 1048. 弁護人3 どうしておりなかったのですか。 1049. 植草被告人 おりようかと思った瞬間に何人か乗ってきまして、そのままドアが閉まってしまって、そのままになってしまいました。 1050. 弁護人3 京浜急行は快速特急、特急、急行、普通とあるのですけれども、乗ったときにどの種類の電車に乗ったかわかりますか。 1051. 植草被告人 わかりません。 1052. 弁護人3 横浜方面行きの電車に乗って、どこで乗りかえようということは考えていたのですか。 1053. 植草被告人 具体的に考えておりません。 1060. 弁護人3 事件当日、京浜急行で電車の何両目に乗ったという認識ですか。 1061. 植草被告人 それはわかりません。 1062. 弁護人3 その車両の前、真ん中、後ろ、どのドアから乗ったという認識ですか。 1063. 植草被告人 それも覚えていません。 1064. 弁護人3 ホームの乗車位置に並んで待って、その電車に乗ったという認識はありますか。 1065. 植草被告人 ありません。覚えていません。 1066. 弁護人3 それはそうじゃないという意味ではなくて、記憶がないという意味ですか。 1067. 植草被告人 そうです。 1099. 弁護人4 さて、先ほど、一度おりようとしたけれども、何人か乗り込んできたので、乗ったまま、その後、電車が発車するということでしたが、電車にそのまま押し戻されて再度乗り込んだときに、どの辺まで行ったという記憶ですか。 1100. 植草被告人 あいていたドアから見ると、反対側のドアに近い方だったと思います。
by mojo_on
| 2007-10-24 11:01
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